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中川 和道*; 金子 房恵*; 大田 佳実*; 田中 真人*; 北田 朋*; 安居院 あかね; 藤井 健太郎; 横谷 明徳; 渡辺 一寿*; 山田 亨*
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.271 - 273, 2005/06
被引用回数:12 パーセンタイル:50.37(Spectroscopy)円偏光と物質の相互作用の研究は、シンクロトロン放射の発展によって新たな発展の時期を迎えている。アミノ酸は鏡像体が容易に入手可能でありそれらが互いに反対の符号の円二色性を示すはずであるので、実験的にも理論的にも手堅い研究を可能にする研究素材である。われわれは、アミノ酸蒸着膜を試料として産総研TERASではVUV領域で、SPring-8では窒素・酸素K殻領域で円二色性測定を試み、SPring-8では、軟X線領域での円二色性検出に初めて成功した。産総研NIJI-2では固相で初めて不斉分解反応の検出に成功した。
田中 真人*; 中川 和道*; 安居院 あかね; 藤井 健太郎; 横谷 明徳
Physica Scripta, T115, p.873 - 876, 2005/00
SPring-8のBL23SUに挿入されている偏光可変アンジュレーターを用いて軟X線領域における分子の酸薄膜の自然円二色性(NCD)を世界で初めて測定した。試料として、フェニルアラニン,セリンなどのアミノ酸薄膜を用いた。その結果、フェニルアラニン薄膜,セリン薄膜ともにL体D体で符号対称な円二色性スペクトルが観測された。また、KTP結晶などを用いた線二色性測定についても報告する。
Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 61(2), p.155 - 161, 2001/05
被引用回数:2 パーセンタイル:19.66(Chemistry, Physical)メタクリロイルL-アラニンイソプロピルエステル(MA-AlaOiPr)とメタクリロイルL-バリンメチルエステル(MA-ValOMe)は、ポリマー側鎖の異なった位置にメチル基とイソプロピル基をもつ位置異性体である。温度変化に追従したポリマーの体積相転移(VPTT)から、疎水基(メチル基とイソプロピル基)の位置効果を評価するため、32にVPTTをもつメタクリロイルL-アラニンメチルエステルと位置異性体を共重合した。コポリマーのVPTTと組成の直線プロットから求めたMA-AlaOiPrとMA-ValOMeのVPTTは、-25と-78に存在することがわかった。この結果から、アミノ酸残基にイソプロピル基を含むMA-ValOMeの方がMA-AlaOiPrに比べ、より強い疎水の場合をポリマー側鎖に付与できることが明らかとなった。
廣木 章博*; 岩上 秀明*; 吉田 勝; 諏訪 武; 浅野 雅春; 片貝 良一*
Designed Monomers and Polymers, 3(3), p.381 - 387, 2000/00
被引用回数:3 パーセンタイル:15.53(Polymer Science)-アミノ酸の側鎖アルキル基をメチル、エチル、プロピルと変化させたメタクリロイル-DL-アミノ酸メチルエステル(MA-DL-AAOMe)を合成し、放射線重合させて得られたゲルについて、温度変化に追従した膨潤収縮挙動を側鎖アルキル基の疎水性と関連づけて調べた。メタクリロイル-DL-アラニンメチルエステル(AA=Ala)ゲルの場合、22C付近で体積相転移を示した。このゲルは、22C以下の温度で膨潤、逆にこの温度より高くなると収縮する。一方、メタクリロイル-DL-アミノ酪酸メチルエステル(AA=Abu)及びメタクリロイル-DL-2-アミノ吉草酸メチルエステル(AA=nVal)ゲルでは、0C60Cの測定温度範囲で、いずれも収縮状態(1以下の膨潤率)のみを保つことが分かった。このようなゲル(AA=Abu及びnVal)に膨潤収縮挙動をもたせるため、温度応答性をもつMA-DL-AlaOMeとの共重合を検討した。その結果、所定の温度における体積転移組成と組成の関係から求めた体積相転移温度は、MA-DL-AbuOMeゲルが-35C、MA-DL-nValOMeゲルが-58Cの値を示すことが分かった。
清水 雄一
Laser Chemistry, 18(3), p.143 - 154, 1999/09
被引用回数:3 パーセンタイル:10.26(Chemistry, Physical)メチオニンラセミ体のエナンチオ区別反応がXeFエキシマレーザー(波長:351nm)からの高強度の左右円偏光レーザー光照射によって効率良く起こることを見いだした。また、トレオニンも同様な結果を示した。これらの結果から、-アミノ酸のエナンチオ濃縮反応は脱カルボキシル及び脱アミン反応のようなレーザー光選択的分解反応が関与し、-アミノ酸の化学構造、特に官能基、によって大きく影響されることが明らかになった。さらに、単独では反応しないプロリンとバリンでも、それらを混合して水溶液で円偏光レーザー光を照射すると、それらのエナンチオ選択的光分解反応が同時に効率良く起こることを初めて見いだした。また、この反応はプロリンとバリンの混合比によって大きく影響されることから、プロリンとバリンとの間の分子間相互作用を経てエナンチオ区別反応が進行していると考えることができる。
中西 啓仁*; N.Bughio*; 松橋 信平; 石岡 典子; 内田 博*; 辻 淳憲*; 長 明彦; 関根 俊明; 久米 民和; 森 敏*
Journal of Experimental Botany, 50(334), p.637 - 643, 1999/05
鉄欠乏時にオオムギの根より放出される三価鉄のキレーターであるムギ平酸は、メチオニンを出発材料として生合成される。そこで、C-メチオニンを用いて、鉄欠乏時及び鉄供給時におけるオオムギ植物体内の移行をポジトロン・イメージング装置により計測した。C-メチオニンは新葉及びクロロシスを呈した葉に1時間以内に移行したが、古い葉や根への移行はほとんど観察されなかった。葉と根の付け根部分への蓄積が15分後に始まり、他の葉への移行は25分後から認められた。このようなアミノ酸転流をリアルタイムで測定したのは世界で初めてである。
吉田 勝
BEAMS 1995: 第6回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム講演論文集, 0, p.139 - 154, 1995/00
イオン穿孔膜は、膜に重イオンを照射したあとに残るイオントラックをアルカリ溶液中でエッチングすると得られる。この多孔膜の特徴は、孔の数、密度、形状の制御が容易なことである。この多孔膜にインテリジェント機能を付与する目的で、側鎖にアミノ酸を有するゲルを用いて孔を化学修飾することにより温度、pH、電場などの外部環境からの刺激に応答し孔のサイズを任意に制御したり、あるいはゲルのもつ認識・識別機能により類似の物性やサイズを有する物質の分離が可能な環境応答性多孔膜を創製する研究を行っている。
横谷 明徳
SR科学技術情報, 4(1), p.9 - 17, 1994/01
生体に対して、放射線が細胞致死あるいは突然変異といった特異な作用を持つことは、レントゲンがX線を発見して以来よく知られてきた。この作用の機序を明らかにする一つの方法として、シンクロトロン放射を単色化して得られるX線,軟X線による、特定元素の内殻光吸収を利用した初期過程の限定による解析がある。これまで、リン,ブロム,カルシウム等のK殻を共鳴的に励起した場合、致死,突然変異等の効率が顕著に増大するなどの、内殻励起に特異的な作用があることが、明らかにされてきた。本研究では、この作用の出発点となる分子変化を探るため、単純なモデル生体分子としてアミノ酸を選び、分子中のイオウをK殻共鳴励起した場合の分解生成物を調べた。その結果、イオウのK殻励起による高エネルギー状態は、分子中のイオウから離れたところにある結合には影響を与えないということが明らかにされた。
吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*
Polym. J., 25(2), p.215 - 217, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:39.34(Polymer Science)側鎖に各種アミノ酸をもつメタクリロイルモノマーを合成し、放射線重合によってゲルを得た。これらのゲルは低温で膨潤し、高温で収縮するという可逆的な温度応答性を示した。また、側鎖アミノ酸の種類及びカルボキシ保護基のアルキル基のサイズによっては、収縮状態から非可逆的な膨潤をおこすことも見出した。このような非可逆過程をおこす臨界の温度を調べた。
横谷 明徳; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*
Photon Factory News, 10(1), p.13 - 14, 1992/05
軟X線領域には、生体構成元素の内殻吸収端に起因する生体分子の吸収スペクトルがある。吸収端前後の吸収断面積の差を利用して、生物細胞内部の特定元素を「狙い撃ち」することが可能であり、これにより放射線のエネルギーを吸収した分子の化学変化(損傷)に対する細胞の応答(修復)のメカニズムを調べることができる。実際に遺伝子、DNA、中のリン原子をK殻励起すると、致死効果や遺伝的変化の誘発が効率よく起こることが知られている。そこで、次の段階として、内殻電離、励起に伴うこのような効果の原因となる特異的な分子変化が果して起きているかどうかを、アミノ酸をモデル物質として調べた。含硫アミノ酸中のイオウをK殻励起し、分解生成物のスペクトルを測定した。励起光源としてシンクロトロン放射を用いた。その結果、イオウの励起の有無で生成物分布が大きく異なることが明らかになった。これは、内殻励起特異的な生体分子変化であると考えられる。
S.Zhu*; 久米 民和; 石垣 功
JAERI-M 92-014, 25 Pages, 1992/02
照射小麦の検知法の開発を目的として、小麦の照射による種々の変化について検討した。発芽試験では、芽の伸長が500Gyで著しく阻害され、貯蔵中も変化しなかった。発芽率の減少は、3300Gyで検出された。胚芽の酵素活性を発芽試験装置(バイタスコープ)で測定した場合には、10kGyで検知できた。アミノ酸分析では、10kGyでリジンの減少が認められたが、わずかな変化であり検知に用いるのは難しいと考えられた。化学発光強度は、照射線量に比例して高くなったが、貯蔵中に減少した。10kGy照射した場合では、3ヶ月貯蔵後でも検知できた。ESR測定では、皮を除いた小麦のg値2.0055におけるシグナルが線量に比例して増加した。これらの方法の中で、発芽試験法が最も感度がよく、照射小麦の検知法として効果的であった。
横谷 明徳
放射光, 5(1), p.83 - 84, 1992/02
特定元素の内殻励起による突然変異等の生物効果の機構を知るため、イオウを含むアミノ酸(シスタチオニン)とモデル分子として選び、イオウK殻励起による分子の分解の特性を調べた。励起光として、単色化したシンクロトロン放射を用い、分解生成物の分析は、高速液体クロマトグラフィーを用いた。この結果、イオウK殻を励起した場合としない場合とでは、分解パターンが異なることが明らかになった。生成物の収量から、励起原子と分子中の切断をうける結合の間に相関がある可能性が示された。これらのことから、内殻励起による生物効果の原因は、励起原子と切断される結合の強い相関による、生体分子の特異な変化であることが示された。
吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*
European Polymer Journal, 28(9), p.1141 - 1145, 1992/00
被引用回数:26 パーセンタイル:72.92(Polymer Science)放射線重合により合成したアクリロイル-L-プロリンメチルエステルポリマー[poly(A-ProOMe)]は、溶媒への溶解状態から析出状態に変る「低温臨界溶液温度(LCST)」を14C付近にもつことをDSCの測定結果から見出した。このポリマーの分子量(Mw)、慣性自乗半径(S/2)、粒子サイズの変化を温度を関数として、静的・動的レーザ光散乱挙動から調べた結果、LCSTをはさんで10Cと20CでのMwは各々1.2710と56.110であり、S/2は40.5nm及び20.1nmであった。また、粒度分布の結果から、LCST以上になるとポリマーが凝集し、小球体を形成することを見出した。
横谷 明徳; 小林 克己*; 宇佐美 徳子*
Photon Factory Activity Report, P. 299, 1992/00
乾燥状態(粉末)のイオウを含むアミノ酸に対する、単色シンクロトロン軟X線の照射効果がこれまで調べられてきた。その結果、イオウのK殻励起を起こした場合とそうでない場合とで、分解生成物のスペクトルが変わることが明らかになった。本研究では、より生体に近い条件下でも、このような変化が起きるかどうかを調べることを目的とし、まず水溶液試料中に生成する分解生成物を検出することを試みた。試いたアミノ酸はシスタチオニンで、分子中にひとつのイオウ原子を含む。照射に用いたエネルギーとして、イオウK殻共鳴吸収ピーク(2473eV)をシンクロトロン放射を分光して得た。生成物は高速液体クロマトグラフィーを用いて、分離定量した。その結果、固体試料の場合とは異なる生成物スペクトルが得られた。同定された生成物のうち、OH基を持つものがあったことから、水中に生じたラジカルとの反応があることが示唆された。
吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 27(3), p.325 - 329, 1991/00
被引用回数:14 パーセンタイル:59.11(Polymer Science)L-アラニル-L-アミノアシル--エチルL-グルタミル-L-ヒドロキシル[Ala-AA-Glu(oEf)-HA]のシーケンスをもつ生分解生ポリデプシペプチドを合成し、酵素作用による分解メカニズムを検討した。酵素作用による分解性とそれの分解パターンはシーケンス中のAAおよびHAユニットの側鎖基のサイズに強く依存する。例えば、Ala-Ala-Glu(oEf)-HAシーケンスにおいて、HAユニットとしてL-ロイシン酸の導入はS-字型分解パターンとなり、対照的に放物線型分解パターンはグリコール酸の導入によって出現する。また、酵素作用の違いから、Ala-AA-Glu(oEf)-HAのシーケンスをもつポリデプシペプチドの分解が、プロテアーゼ酵素(ペプチド結合を切断)によりむしろエステラーゼ酵素(エステル結合を切断)によって加水分解を受けやすいことが分かった。
吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
J. Biomed. Mater. Res., 24, p.1173 - 1184, 1990/00
被引用回数:32 パーセンタイル:75.14(Engineering, Biomedical)アミノ酸とオキシ酸からなるシーケンシャルポリデプシペプチドは主鎖にペプチド結合(-CONH-)とエステル結合(-COO-)をもつため、プロテアーゼ酵素とエステラーゼ酵素の競争反応によって分解を受けることが期待できる。この目的に対し、我々は、アミノ酸とオキシ酸による2-ニトロフェニルN-カルボキシアンヒドライド法を用いて、(L-アラニル)n--エチルレーグルタメート-L-ラクチル、[(Ala)-Glu(OEt)-Lac]、シーケンスからなるポリマーを合成した(n=0,1,2,3)。これらのポリマーに対する酵素分解作用は、エステル結合に作用するエステラーゼの方がペプチド結合に作用するプロテアーゼよりおおきいことが分った。この場合、リゾプスデレマー起源のリパーゼが最も強い酵素分解作用を示した。この酵素を用いた時、Ala-Ala-Glu(OEt)-Lacシーケンスポリマーが最も分解されやすかった。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 大屋 正尚*; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*
高分子論文集, 42(10), p.783 - 791, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)DL-alanine/-ethyl-L-aspartate[AlaAsp(OEt)]とDL-alanine/-ethyl-L-glutamate[AlaGlu(OEt)]のランダムコポリマーをNCA法で調製ののち、150kg/cmの圧力下で加熱溶融処理することにより高密度・高剛性の性質をもつ1.6mm径の円柱状成形物とした。これらのコポリマーの100% in vivo分解率は[AlaAsp(OEt)]系で50mol-%Alaそして[AlaGlu(OEt)]系で75mol-%Ala組成以上のところで、各々得られた。また、50mol-%Ala組成からなる[AlaAsp(OEt)]に温度を変えて線照射(310rad)したところ、-196C,-78C,0C,30Cそして60Cでのin vivo分解率(3W埋入時)はそれぞれ、33.6%,29.5%,18.9%,52.5%そして22.4%であった。この結果から、[AlaAsp(OEt)]のin vivo分解率は30Cの照射温度付近に極大値があることが分った。この照射温度によるin vivo分解率の違いを粘度,電顕観察,アミノ酸分析によって検討した。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 片貝 良一*; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*
生体材料, 3(2), p.85 - 94, 1985/00
アミノ酸とオキシ酸からなるsequential polydepsipeptide,[AlaAlaGlu(OEt)Lac]を合成し、melt-pressingによって高密度の円柱状担体(1.6mm径)に成形加工した。そして、この担体のdrug delivery systemへの適用性の評価をin vitro-in vivo実験においておこなった。担体の酵素分解はアミノ酸分解酵素によるよりも、むしろエステル分解酵素による作用の方が顕著であった。また、アミノ酸分析のデーターから、担体中のAlanine moietyの分解消費速度がGlutamic acid moietyのそれより早いことも分った。一方、この担体のin vivo分解は24Wで100%分解消失した。同じ担体にCo線源からの線を1Mrad照射した場合、100%分解は28Wに延長された。しかし、5Mrad照射した時、担体中に酵素未分解moiety(20%)の生成が認められた。このmoietyは空気中で照射した時の方が、さらに増加傾向を示した。このような照射効果について、詳しく検討した。
久米 民和; 武久 正昭
J.Agric.Food Chem., 32, p.656 - 658, 1984/00
被引用回数:7 パーセンタイル:66.42(Agriculture, Multidisciplinary)種々の動物用飼料原料やモデル系での照射によるリジノアラニン(LAL)含量の変化について検討した。飼料原料のうち、魚粉、フィッシュソリュブル、骨粉からは各々0.3~0.6、1.0、2.9mol/100mgのLALが検出されたが、大豆粕や羽毛粉からは検出されなかった。これらの飼料原料を5Mradまで照射してもLAL含量に変化は認められなかった。LALは水溶液中(35mol/100ml、PH7.4)での照射により指数関数的に減少し、分解のG値は2.84と求められた。一方、乾燥状態の照射ではLALは安定であり、50Mrad照射しても27%が残存していた。タンパク質溶液を照射した場合には、タンパク質の種類(ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、リゾチーム)、濃度(0.2~10%)、pH(7~13)に関係なく、いずれの場合にもLALの生成は認められなかった。この結果は、LAL生成の問題に関して放射線殺菌法の方が加熱殺菌法より優れていることを示している。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 山中 英寿*; 中井 克幸*; 湯浅 久子*; 志田 圭三*
J.Macromol.Sci.,Part A, 21(5), p.561 - 582, 1984/00
ポリ(N-カルボキシ-アミノ酸無水物)を150kg/cmの圧力下、50,100,150,そして200Cの温度で処理した。処理担体の殆どが溶融と体積収縮を伴なった。この場合、処理担体の溶融温度は一般に、担体自体のもつ融点(m.p.)より顕著に低かった。得られた担体(加圧-加熱処理法)は high rigidity と transparency をもっていた。これらの担体の生体分解性はmale Wistor rat の背中皮下部に最高で100日間埋め込んで評価した。この研究に用いたホモおよびコポリマーは殆ど生体分解しなかった。しかし、脱ベンジル化した terpolymen(例えば、-benzyl-L-glutamate/glutamic acid/L-leucine)は著明な生体分解を伴った。この場合、生体分解速度は系中の組成比に依存した。これらの結果に基ずいて、担体の in vivo 分解の入力メカニズムの検討もおこなった。